ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

横浜へ

朝5時前、妻の実家にて赤ちゃんに乳をあげる嫁さんに気づいて目覚め、寝床を抜け出した僕は、昨夜から気になっていた手の爪を切ろうと嫁さんにその在処をたずねた。嫁さんは残念ながらこの家に爪切りは無いと答え、僕がそうか残念だと伝えたところでもう一度目が覚めた。時刻はやはり5時前で嫁さんは乳をあげ終わっていた。

もう一度爪切りの場所を聞くと今度は出してくれて、その家の誰もが寝静まる中、洗面所で爪を切った。大変良い爪切りで、僕がいつも使っている爪切りとは違って爪をいたずらに傷つけず、パチンパチンとやたら音が響くような気がした。

それから5時半に家を出た。大阪から横浜へ、家を探しに行く。冗談だと思っていたことが色々冗談ではなくなって、いっそ訳がわからないような。40歳になってこんなに無茶苦茶に人生が変わるとは思っていなかった。変わる時はいきなり、何もかも変わるのか。

己の力でなんとかできる、なんてことは本当は何もなくて、全ては縁によるのかもしれない。新幹線の中で、サバの棒鮨つつきながらそう思った。こんなジェットコースターみたいな人生に付き合わせてしまって、なんとも申し訳ないなあ。