ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

pha著『しないことリスト』を読んだ

最近めっきり本を買わなくなった。理由は簡単でそんな金が無くなったからだ。
高校の常勤講師やってるときはバカバカ本を買っていた。常勤やって一番驚いたのはその給料の高さだった。1年目でこんなにもろてええんかーい!てぐらいお金が入ってきた。僕の人生で一番稼いでた時期だ。もちろん犠牲にしなければならないものも多かったが。

その時期は最低でも月1万ぐらいは本を買ってたように思う。ジュンク堂で1万円以上買ったときにもらえる緑の布の袋が家中に散乱してた。興味がちょっとでもある本は片っ端から買った。その時買った本でまだ読んでないものもある。

非常勤講師になってからは給料が半分以下になったので、月1ぐらい本屋に行って、もっぱら立ち読みで済ますようになった。立ち読みを本格的に始めてから、本を買うことに必要性を感じなくなった。大抵立ち読みで事足りるからだ。立ち読みで良いことが書いてあるな、と思うときはそのことを覚えておいて後でメモを取るようにした。
立ち読みのコツはザッとでいいから二回読むことだと思う。一回目全体を流し読んで、引っかかることがあればそこをもう一度読む。それで大体満足できる。

ただ、たまにそれで満足できない場合がある。家に帰ってから、あの本もう一回読みたいなと思ってしまうことがあるのだ。その際はもう一度本屋にその本を立ち読みに行く。それでも満足できなければその本を買う。

先日ジュンク堂にて4時間ぐらい立ち読みした中で、タイトルの『しないことリスト』という本がどうにも気になってしょうがなくなった。日を置いてもう一度読みたくなったので買った。

本の中にいくつも気になる言葉があった。一番印象に残っているものは、
「人が変わるための方法は3つしかない。時間配分を変えるか、住むところを変えるか、あるいは付き合う人を変えるか、そのどれかである。最も意味のないことは『私は今日から変わるぞ』と決意を新たにすることだ」
というもので、その言葉自体は著者の言葉ではなく、どこかから引用された言葉なのだが、そういう面白い引用文がこの本の中にゴロゴロ散見されるのだ。引用が強烈に面白い、という本もなかなか変わっていると思う。さらに引用だけではなく、こういうことなのかな?と僕が普段思っていることが割とドンピシャで著者の言葉で語られていた。

「時間とお金には互換性があって、金がなくても時間で補えることは多い」なんてのもその一つで、それこそはまさにこの前僕がここで書いた「労働とは手間賃」という日記の核心をつく表現だと思った
。僕の日記は全くまとまりのない雑文になってしまったが。

「お金で解決しない(金を稼げばその分金を使うようになる)」「高い家賃を払わない」の二つの項目からは、僕が確定申告をする度思ってしまう「結局いくら稼いでも自分で自由にできる金って人によってそこまで大差ないんじゃね?」てこととか、プロゲーマーのときどさんが親父さんから常々「稼ぐようになっても生活の水準は上げるな」と注意されてたことなど思い起こした。

そんな風にこの本には普段僕が考えたり、引っかかっていることとリンクする内容がとにかく多く書かれていて、そのため購入に至ったのだ。僕の厳正なる立ち読み審査をくぐり抜けて。

人の生き方の多様性を見る、という意味でも実に良い本だと思う。ブラブラしている人の頭の中を覗くことができる。また現にブラブラしている人にも勉強になることは多いであろう。

先にも言ったが引用の内容も秀逸で、普段の授業でもこの本に書かれてある内容をバンバン使わせてもらっている。
「有能な怠け者は指揮官にせよ。有能な働き者は参謀にせよ。無能な怠け者にはルーチンワークをやらせよ。無能な働き者には一切の責任を与えるな」
しびれる言葉じゃないか。多分この本読んでなかったら一生出会うこともなかったろうな、という言葉がたくさん出てくる。

本の中にはてなブログのことが出てきたので調べてみたら、著者のphaさんもはてなブログをやっておられた。早速読者登録して過去の日記を遡ってほとんど全部読ませてもらった。とても面白くて、本を買って二度得した気分になった。今はもうほとんど更新されてないようだが。


なお、『しないことリスト』を読んだ後に一番最初に思ったことは、福本伸行の『天』超読みてえ!ということだった。今日TSUTAYAで借りてこよう。あとじゃりン子チエも。

しないことリスト (だいわ文庫)

しないことリスト (だいわ文庫)

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何かしら魔力的なものを感じてこの本も買った。内容うんぬんの前に買わなきゃしょうがない、て本もある。