ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

ゴミをいくら量産しても仕方ない

はてなブログから賞を頂いたことで、ずいぶん浮き足だってなんでもかんでも書きまくろう、なんだったら毎日更新してやろうぐらいのことを思ってはりきってきたが、昨日ふと我にかえって、こんなことをしても仕方がないと思った。

漫画でも文章でも毎日毎日そんなに書くことがあるはずもなく、それでも書こうとするならそれはエフェクトの強さ、うまさだけで勝負せざるを得ない。作られるものは一見何かあるようで何もない、何か言ってるようで何も言ってない空疎なゴミだ。構成はエフェクトを強調するために自動化され、イイネを得て出るドーパミン、その報酬系まで自動化される。書いて報酬を得るまでのオートメーションが永久に続く。スマホゲーとブログやSNSの「毎日更新」には仕組みにおいて近しいものがある。

そっちには行かないぞ、と思っていたのに気がついたらその沼におもいっきり頭まで浸かろうとしていた。この沼、なんてヤベェんだ。今年度の異変としてインスタで大量に生徒からフォローされたことを以前に述べた。
yoakenoandon.hatenablog.com
それでなんだか嫌になってインスタの更新をストップしたのだけれど何かの拍子に(それもはてなから賞を頂いたことがきっかけかも)インスタで漫画をアップしたところたくさんイイネがついて変なハマり方をしてしまったのだ。

以前同じようなことで自らに注意したはずなのにな。僕はエッセイ漫画家になりたいわけでもないし4コマ漫画家になりたいわけでもない。金とイイネに踊らされて完全に自らを見失ってしまったあげく、あちこちに手を出しすぎた。僕のブログはハイパーごちゃまぜ状態になって、ここを訪れた人には僕がもはや何屋なのか、何を志しているのか分からないだろう。ここは秘密基地で、色んなものがあって、それでいいと以前は思っていたけど、そうすると僕自身もとっ散らかってしまって、何が何やら分からなくなって、イイネ乞食が爆誕することになったのだ。
絞れないということは大変苦しいし、仕事のやり方として一番まずいようにも思う。一点突破の全面展開とは父がよく口にする言葉であるが、僕は突破する前にただただ自己が拡散してしまった。焦って、浮き足立って戦力を分散する。負け筋の本道だ。もう一度落ち着いてよく考えよう。現場に到着して節操なくいきなり作業を始めるような植木屋は信用ならないぜ。じっくりと半日ぐらい何もせず庭を眺めてる植木屋がいい植木屋だ。それも父の受け売りだが。

金も人気ももちろん欲しいがそれより何より僕は作品が作りたいのだ。その作品を本にしたい。それをおざなりにして、あちこち尻尾を振り回すとはなんとはしたない。生兵法とはそちのことを言うのじゃっ!!
やたらに焦っていい加減なゴミを量産することに逃げるのはやめよう。前に進んでいるつもりにはなれるけどそれは何もしてないのと同じだよ。怖くても自分の作品に向き合わねば。時間がかかっても良い作品を作らねば。結果アクセス数が激減してもイイネを一つももらえなくなってもいいじゃん。僕はそんなものが欲しかったのではないし、作品を作ることを避けて、どこにも道はないのだから。他のどれも、本を作ることのワクワクには比べようもないのだから。

「毎日更新」をほのめかすようなことを言った時、嫁さんはいい顔をしなかった。決して肯定しようとしなかった。それに逆らってあたふたした結果がこれだ。どうにも、彼女の方が僕のことをよく分かっているようだ。