ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

ジュンク堂にて

3年前、先生をやめてた頃の日記です。


あぁ、色んな本がたくさんあるなあ 。
おや、こんな本も、いや装丁が変わっただけか。それだけで随分魅力的に見えるものな 。

本めちゃめちゃ欲しー!
いやでもあかん、金ないしな 。
やめとこ、あかんぞ、どう考えてもたくさん買えるような金は無い 。
でも、一冊だけ、一冊だけならいいんちゃうか…いやちょっと待てよ、ちょと待てちょと待てお兄さん、一冊買うのも二冊買うのもそんな変わらんのとちゃうか、それならいっそ……
て、おいおいこれ文庫のくせに1400円もするんか!
あかんあかんあかん、何考えてるんや 。
図書館行ったら借りられる本やろ?
いや、でもこれ岩波現代の新しいやつやし図書館にもないかも…… 。
じゃあやっぱり買うか、買ってしまうのかい?
クソッ、なんでこんなしょーもないことで悩まなあかんねん 。
教師やってる時はカゴに本バッサバッサ入れてレジにドンとね、こうドカンと置いてレジのネーチャンがびっくりして座りションベンして馬鹿になるぐらい買えたのに。
あのたくさんあったお金たちはどこへ行ったんやほんま。逐電や逐電、逐電しよったわ 。
金がいる。わかっちゃいたけどどうやら生きていくには結構金がいるぞ。
いざとなれば金は借りりゃあ何とかなると思ってたが、さてもさても欲しい本も買えないというんではなぁ…。
そんなんやから彼女にも振られるんやでほんま 。
もうさっさと結婚でも何でもして彼女に養ってもらったらよかったわ。
あら、こんな考え不埒かしら?
不埒だねぇ、不埒。実に不埒!
金なんてそないなくても十分楽しめる自信はあったのに、うーむ。
稼ぐか、金……先生、またやるか……うーんうーん…… 。
いやちょっと待てよ、ちょと待てちょと待てお兄さん、とりあえず本買うかどうかに話戻さんと逡巡が逡巡呼んでどこまで行ってまうかわからんでぇ 。
1400円のやつだけ買うかどうか決めよう 。
うーん、これは欲しいなあ 。
やっぱり欲しい 。
どうしても欲しいよなあ 。
よし、よしよし!これだけは買おう、うん買おう!


という葛藤が二時間ほど続いて三冊本を買って帰った。


そしてその半年後結婚した。だが不埒ではない。


#「迷い」と「決断」

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