そうして「できる」というまやかしを生徒に与え続け、実際には何一つできず「管理される」能力にだけ長けた廃人同様の人間を育む。友情ごっこ、勉強ごっこの果てに獲得するものは自分に対するおぞましいほどの勘違いだ。
もう学校は人間の成長に望みをかける場所ではなくなってしまった。教育の標榜する「生きる力」を最も効果的な形で減衰させてるのが学校ではないか。
先生も生徒も協力しあって、抱き合って沈みゆく船に乗り続けている。そこにいれば絶対安全だという幻想を抱き続けて。
そのことに気づいて自ら船を下り、海を渡り始めた者だけが「生きて」いくことができる。
自分の船を作るがいい。
早々に海に出てしまうがいい。
そうしなければ海を渡る力は得られない。
学校の中にいるだけでは。
沈みゆく船の中で死なないことをじっと願っているだけでは。