ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

傘とリュック

昨日の大阪は雨だった。


世界にはたくさん秘密があって、僕はその秘密をほんの少ししか知らない。動いている物体に乗っていると時間が遅れてしまうだとか、月の自転周期と公転周期が一致していて地球人は何万年も前からずっと月の同じ顔ばかり眺めているだとか、デジャビュを感じてしまうだとか。そういうものだと規定してしまえばそれまでだが、よく考えてみれば何故そうなるのかわからない、世界は不思議なことばかりだ。

時々雨の日に、リュックを腹側に背負って(背負うというのもおかしいが)歩く人を見かけることがあって、僕にはそれが何故なのか分からなかった。その秘密に気付いたのは最近のことだ。
それはとても単純なことで、リュックを前に持つと雨の日に傘をさした際、リュックが濡れにくいのだ。何故か。人間は傘をさす時に必ず自分の体の前側に傘を持つ。後ろ手に傘を持っている人を僕はこれまで見たことがない。傘を自分の体の前に持つ、ということは傘のカバーする範囲は自分の体の後ろより前の方が圧倒的に広いことになる(傘を真っ直ぐに持った場合だが)。それで前にリュックを持つと濡れにくくなるのだ。
そのことに気付いたのはつい先日のことだった。36年間生きてきて傘のカバーする範囲について考えをめぐらせたことがなかった。皆は当然知っているのだろうか。考えてみれば小学生でも気付きそうなことだ。どうにもボーッと生きてるな、僕は。
考えたことなかった、ということが世界にはまだまだ転がってそうだ。


傘とリュックの秘密に気付いてから雨の日が少しだけ好きになった。

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図解。このリュックの持ち方なら何も濡らさずに済む。あと背中が涼しいし物を取り出しやすい。