ウミガメがオキの方で産卵した年は大きな台風は来ず、オカの方で産卵した年は大きな台風がたくさんくると伝えた。漁師はウミガメの卵の位置を探り、その位置よりも必ず上に舟を上げたという。
神話やお祭り、年中行事などの民俗(民族)的事象は、かつて人が世界をその目で、あるいは情緒で捉えようとした古代のものの考え方、古代の科学なのだと最近気付いた。
そういう古代の科学を見ていくのはとても楽しい。
ウミガメがなぜ台風を予知できるのか、なぜ広大な黒潮海域を回遊しながら同じ場所に産卵に来られるのか。現代を生きていると今のものの考え方が絶対であるように思いがちであるが、それでは捉えられない世界がある。