我は非常勤講師として働きながらボーナスをもらわんとする、がめつき人間である。
昨年、職場の僕のレターケースに次のようなパンフレットが入っていた。
なんだろかと思ってパラパラめくっていた僕の目に衝撃的な文言が飛び込んできた。
非常勤講師なのに、ボーナスがもらえる…だと？
しかし昨年度はこの書かれている条件に僕の労働条件が見合いそうもないのでそのままボーナスのことは忘れてしまった。
そして今年度。僕は週に18時間の授業を受け持つことになった。非常勤講師としては異常な(多すぎる)数字だ。そこでふとボーナスのことを思い出した。今年度の時間数ならボーナスをもらえるのではないか。昨年度の僕はこの事態を予期していたのかパンフレットを捨てずに持っていた。もう一度非常勤講師がボーナスをもらう条件を確認してみる。
なるほどよくわからん。とりあえずボーナスをもらうには「週に15時間30分以上」働いていることが必要とある。その「週に15時間30分以上」の考え方について、
①任用期間全期間を平均した週当たりの勤務時間が15時間30分以上
②任用期間において、月ごとに平均した週当たりの勤務時間が15時間30分以上ある月が6月以上ある
と2パターンに分けて説明してくれているがどちらのパターンも全然分からん。この時点で僕は特に②のパターンについて週に15.5時間が4週で、月に62時間働けばボーナス条件を満たす月になるのだと考えていた。62時間働いた月が6月以上あればよいのだと。僕のメモ書きにもそのように書かれている。しかし、それは大きな間違いだった。
詳しく教えて頂こうとこのパンフレットの発行元及び府高教に電話をかけて聞いたところ、①②それぞれについて条件を満たす(つまり週に15時間30分以上)かどうかを判別する計算式を教えてもらった。すなわち以下のようである。
①の考え方で15時間30分以上かどうかを判別する式↓
「その年度で働ける時間数の上限」÷「その年度の任用期間の日数(普通は365日)」×7=15.5以上かどうか。
実は非常勤講師の働ける時間数には上限が設けられている。すなわち「週の持ち時間数×35」が上限だ。僕で言えば今年週に18時間持っているので35×18=630時間が働ける上限になる。それ以上はいくら働こうが給料にはならない。
そして非常勤講師は1年契約が多いと思うので任用期間の日数は365日ということになる。仮に僕の条件で①の判別式に当てはめてみると、
630÷365×7=12.08
と全く15.5に届いていない。①の考え方では週15時間30分以上の条件を満たさないことになる。
なお、どれだけ授業を持てば①の考え方で週に15時間30分以上をクリアできるのか計算したところ、週に24時間の授業を持たなくてはならないことがわかった。週に24時間…殺人的な数字だ。少なくとも僕は週に24時間授業を持っている人間を見たことがない。つまり①の考え方ではボーナス条件をクリアするのはほぼ不可能ということになる。
そこで②だ。
②の考え方で15時間30分以上かどうかを判別する式↓
「その月に働いた時間数」÷「その月の暦の日数」×7=15.5以上かどうか。
仮に4月に60時間働いたと仮定して計算した場合、4月は1日〜30日までなので、
60÷30×7=14
と、これでもやはり15.5には届いてない。
計算してみると15.5のハードルをこえるためには、カレンダーで30日までの月は67時間以上、31日までの月は69時間以上、28日までの日は62時間以上働く必要がある。さらにそうして15.5のハードルをこえた月が6月以上必要になる。
夏休み冬休みの期間は授業日数が少なくなるため、仮に4月5月6月9月10月11月でボーナス条件をクリアしようとした場合、
4月→67、5月→69、6月→67、9月→67、10月→69、11月→67で最低406時間は必要になる。406÷35=11.6で週に12コマ授業を持っていればクリアできないことはないが、ボーナス条件をクリアするためにこの6ヶ月間に集中して持ち時間を使ってしまうと他の月に全然働けないことになってしまう。
満遍なく働きながらボーナス条件も満たそうとすると最低週16時間はないと厳しいのではないだろうか。週16でも働ける時間の上限は16×35=560で、先の406時間を引くと残りは154。154を残りの6ヶ月で割ると考えると月に25時間ほどしか働けなくなってしまう。
長々と説明してきたが、つまり非常勤講師が大阪でボーナスをもらうのはめちゃくちゃきついということだ。しかし、今年はチャンスなので是が非でも、どんなことをしてもボーナスをいただいてやろうと考えている。頂いたボーナスでiPad Proなる魔器をGETするのだ。4月は既に67時間働き、条件を達成した。あと5ヶ月。非常勤講師がボーナスをもらうなんて話は滅多に聞かないので、僕がボーナスを頂いて、非常勤講師として働く先生方にボーナスのことを知っていただくきっかけになればと思う。
