僕は何のために授業をするのだろう。
生徒は何のために授業を受けるのだろう。
何年教師をやってもそこがどうしても分からない。そこが分からないのにいくら表面を取り繕ってみても、自分も生徒もごまかすことはできない。
今を必死に生きている人間が歴史を知って、それが一体何になるのか。
色んな人が色んなことを言うけれども、僕にはどれもピンと来ないんだ。
僕には僕の経験があるだけだし、生徒には生徒の経験があるだけだ。学びはそこにしかない。
強烈な経験や体験を通してしか本当に「知る」ということは出来ない。授業は全部おためごかしの子どもだましに見えてしまう。
伝えられることがあるとすれば、それは自分でやるしかないということだ。誰かに与えられたものは経験にはなり得ない。僕の授業は生徒の経験にはなっていない。手を動かして、自分でやるしかないんだ。
僕にはそれだけしか分からない。