ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

新婚旅行で石垣島へ①~突撃鍾乳洞編~

備忘録としてこの日記を残す。
僕は旅行をしてもあまりバシバシ写真を撮る方ではないので、旅行の記憶は時間の経過と共に消え薄れていく。だが、こうして日記として残しておけば、その旅行はいつまでも鮮明な記憶と一緒に思い出されることとなる。



新婚旅行、といっても既に結婚して2年以上経っているのでその言葉が適切かどうかは分からない。しかし、一応夫婦の間でそれと定義された旅行に出かけたことはないので「新婚旅行」で合ってるのだろう。
この間何度も新婚旅行の話は出たが、行き先についてあれやこれやと悩むだけで決まらず、なんとなく2年が経過してしまった。

今回、嫁さんが仕事を退職した関係で4月頭に時間が出来たので是非この機会に新婚旅行に行こう、となった。
場所は沖縄。最初はイタリアとかハワイとかバリとか色々出てたのだが、高いとか遠いとか僕が沖縄行ったことないとか、そういう理由で沖縄になった。
嫁さんの退職が決まってから新婚旅行が決まったので予約から出発まで1ヶ月も無かった、ということも理由にある。ちなみに僕は、予約を取った3月半ばは超絶金欠状態だったので一旦嫁さんに旅行代を全額借りることとなった。ちゃんと返します。色付けます。ごめんなさい。

行くとなるとトントンと話が進んで沖縄は石垣島に宿を取ることとなった。
宿の場所はフサキリゾートというところで、旅程は2泊3日。この点に関してはもう1泊長くても、と旅行の途中思ったが、最終的には2泊3日で良かったという結果になった。

4月3日、朝6時半に家を出る。関空には飛行機出発の一時間以上前に着くことになるが、以前大分に旅行した際飛行機に乗り遅れて夫婦二人してバカを見たので二度とそんなことのないように今回は早めに出た。

関空に無事到着し、手荷物を預ける。受付でやたら犬がほえてるな、と思ったら今は犬も手荷物?で預けられるのか。ゴールデンレトリバーとコーギーがギャン鳴きの様子であった。まさか彼らも今から空を飛ぶことになるとは思っていまい。僕が犬だったら間違いなくションベン漏らすだろうな、とか思いながら泣き叫ぶ犬を尻目に自分たちの手荷物を預けた。

手荷物を預けてまだまだ時間に余裕があるのでMOSDOなる食べ物屋さんで朝食を済ます。モスバーガーとミスタードーナツが組み合わさったものらしい。エビカツバーガーを初めて食べたがおいしかった。嫁さんはテリヤキバーガーとイチゴのポン・デ・リングを召し上がっていた。
コーヒーをお代わりしていたらいい時間になったので搭乗口へ。飛行機の席は非常口横で、他の席よりも前後の間隔が少し広かった。僕は割と身長が高い方なのでこの席はありがたかった。

飛行機内ではドリンクにビーフコンソメスープが出た以外特に変わったことはなかったので割愛。あとは那覇での乗り換え時間が短く焦ったぐらいかな。

石垣島に12時過ぎに到着。雨。圧倒的土砂降り。さらに風。横殴りの風。

やっぱり雨の石垣島。

結婚式→途中から土砂降りの雨。石川へのカニ旅行→雪混じりの雨。大分への親戚あいさつ→2泊目を湯布院に取っていたが台風直撃で宿からキャンセルしてくださいとの連絡。そして新婚旅行。

血液型だとか雨男だとか、そんな根も葉もないことで人間を判断するのは馬鹿らしいと思っているが、僕がどこか遠くに出かけると異常に雨になる確率が高い気がする。
遠くだけではない。僕が単に外に出ただけでそれまで曇ってただけなのにバケツひっくり返したみたいに雨が降ってくることもめちゃくちゃ多い気がする。気のせいか……気のせいだったらいいな。
ともかくそういうことがあまりに多いので最近ではいきなり雨が降ってきてもなんとも思わなくなった。はいはい、濡れりゃいいんでしょ、と思うことにしている。実際、天気はどうしようもない。

嫁さんも青い空、美しい海を当然期待していたであろうから、この天候は残念そうであった。が、もう吹っ切れるしかない。
空港前でひとしきりIKKO風「どしゃぶりー」を夫婦で互いに動画に収めた後、空港近くのレンタカー屋さんでヴィッツを借りて旅行の始まりだ。
出発前、レンタカー屋の兄ちゃんからは「石垣の天気予報はアテにならないですから」と暖かい励ましを頂いた。なお、予報では2泊3日全て雨の予報であった。どんだけー

とりあえずお昼ご飯を食べるべく移動を開始する。飛行機内で事前の予習はバッチリだ。お昼は来夏世(くなつゆ)というお店で八重山そばを食べることにした。13時半頃お店に到着。満席だったのでしばらく待ってからカウンターに通してもらった。店の店員さんは皆妙齢の女性ばかりですごくほがらかな雰囲気であった。ジューシーという炊き込みご飯を食べてみたかったがご飯ものは売り切れてるようなので、八重山そばの大と中をそれぞれ頼んだ。そばは中華そばのような丸型のはっきりしたそばで、おいしかったことは覚えているがどんな味だったかは思い出せない。ただ、スパイスと一緒にカウンターにおいてあった唐辛子のエキスみたいなやつを少しそばに加えるとめちゃくちゃおいしくなったことはハッキリ覚えている。

店を出てチェックインのためホテルに向かう。フサキリゾートホテルは拡張工事中だったため、そのお詫びとしてチェックインのときにホテル内で使えるサービスチケット2000円分をもらった。この時点でホテルに対し大変良い印象になった。さらに翌日の部屋の清掃をスキップすれば追加で1000円のサービスチケットがもらえるらしい。うーむ、ホテルも近頃は色々と考えているのだな。無論清掃はスキップすることにした。

14時過ぎ、部屋に荷物を置く。まだ雨は降り続いていたので石垣島の鍾乳洞を見に行くことになった。出発前にホテル内を少し散策したが、プールもビーチもプールサイトのバーも素晴らしかった。晴れていたらホテル内だけで十分楽しい思い出が作れただろう。

レンタカー屋さんから借りた資料にも鍾乳洞のことが載っていたのでマップコードを入力して現地に到着したのだが、ココであってるのか?
まばらな車と植物園のような雰囲気と怪しげな館。他に行くところは考えてなかったのでとりあえず中に入るとおじいが一人受け付けに座っていた。チケットを買う。一人1500円。おかしい。僕の持ってる観光ガイドには1080円と書いてある。館内はシーンとしていて引き返せるような空気でもないので、おじいの見守る中自動券売機でとりあえずチケットを買う。おじいにチケットを渡すとマシンガンのごとくしゃべり始めた。なんだこのアクの強さは。
まず僕の身長の話になって、背の高い奴は優しい、おじいのように背の低い人は腹黒い、というようなことを聞かされた。いやそんなことはないと思うが。偏見がすごい。
その後鍾乳洞の説明になった。自然植物園の中に鍾乳洞が点在しているような形になっているらしくあれやこれやと鍾乳洞の説明をしてくれた。とにかくまとめるとご利益の嵐。子宝に商売繁盛に、とにかくご利益の嵐。

少し落ち着いたかと思ったら今度はおじいから「兄さんはラーメン好きそうな顔しとるな」ときた。さらに「ラーメンの汁飲み干しとるやろ」と言われた時ギクリとした。確かに僕はラーメンが好きで汁を飲むのをやめなければと思いつついつも全部飲み干してしまう。しかしそんなことがなぜわかる。そもそもラーメン好きそうな顔ってどんな顔だ?

鍾乳洞館受け付けのおじい。いや、あんた一体何者だ。

このおじいは妖魔の類かと思ったが、腎臓と肝臓をダブルで悪くするからラーメンの汁を飲むのは本当にやめた方がいいと優しく諭されてなんだか妙に納得してしまった。このおじいと出会えて良かったと思った。ラーメンの汁飲むの本当にやめよう。
その後おじいから再び僕の身長について「背高いなー。2メートルか、それとも190?どれくらいや!?」とラッシュを浴びせられて、185だと言ってるのに「190、190か!?」と190をごり押しされたのでやむなくそうだと答えると「生まれ変わったら身長の交換や」とよくわからないことを言われ鍾乳洞見学に送り出された。
聞けばおじいは87才だと言う。元気すぎてビックリした。マジで妖魔の類か。

鍾乳洞を見る前に館内の貝やらサンゴやらを展示してある部分を通らなければいけないのだが、展示を見ていると向こうから若い女性二人組がやってきた。おかしい。館内を通った後は一方通行のはずで誰かがこちらに向かって歩いてくることなど有り得ないはずだ。
しかしその時はさほど疑問に思わず館を抜けて鍾乳洞に向かった。館からすぐの鍾乳洞二つを回って次の鍾乳洞に行こうとしたところで、地図に書かれてある道が無いことに気がついた。地図に示されてる道も確かにあるような気がせんでもないのだが、茂みに覆われてほとんどわからなくなっている。とりあえずそのほとんど道とも言えない道を進んでみたが、途中で藪こぎしなければ通れないほど茂みが深くなってきたので引き返した。なるほど、先ほどの女性二人はこうして諦めたのか。
周りをウロチョロしてみたがそれっぽい道はどこにもなかったので我々も館内に引き返そうとしたところで嫁さんが「コッチじゃない?」と館のすぐ脇にある整備された正解のルートを見つけた。
いや地図全然違うやないかーい。
あの地図は書き直した方がbetterであろう。

時刻は夕暮れ時で、うっそうとした暗い森の中を二人で歩く。人っ子一人とも出会わない。昔はちゃんとした自然植物園だったんだろう。植物園を一周する間に色々な建物が配置されていたが、「ウサギとカメの物語」とかかれた動物小屋に動物の姿は認められず(暗くなっていたので分からなかっただけかもしれないが)、「海人の家」と題された資料用建物の中はホコリまみれになっていた。もう管理する人がいないのだろう。生き物として確認できたのは鳥ばかりでそれもなんとなく寂れた感じを助長していた。鍾乳洞としてちゃんと中に入れたのも最初の二つだけで、園内を一周する間にある鍾乳洞は水浸しになっているものが多く、中までは入っていけなかった。鍾乳洞前に立てられている錆びた看板からは、昔は多くの人が訪れたことが読み取れて(鍾乳洞内見学要予約1万円、とか書かれていた)何とも言えない切ない気持ちになった。
最後に訪れた、館から最も離れた鍾乳洞(龍神の鍾乳洞だったかな?)はめちゃくちゃ長くてさすがに迫力であった。多分1kmぐらいあったんじゃなかろうか。鍾乳洞の中は空気が薄い気がして、静かで暗く、閉じ込められそうでとてもこわかった。僕は閉所恐怖症ではないが、それでも鍾乳洞深くはこわい。時間と空間の感覚がおかしくなるようで、いつ終わるとも知れない長い長い鍾乳洞から出たときは浦島太郎になった気分だった。


ラーメンの汁を断つことを固く心に誓いながら鍾乳洞を後にする。まだ暗くなるまでには時間があったので、さらにヤエヤマヤシの群生地に行くか、それともホテルに戻るかで悩んだが、嫁さんがホテル近くにあるミルミル本舗でアイスが食べたいと言ったのでホテル方面に戻ることとなった。

途中川平湾という大変美しいビーチに寄った。雨はその頃にはやんでいて、川平湾で見た流れの速い雲と濃緑の山と水色の海が織りなす景色は大変神秘的だった。もう一度この景色を見に石垣島に来たいと思った。

雨の石垣島も悪くはない。むしろ幻想的。

ミルミル本舗ではバニラと紅芋のアイスクリームを頼んだ。ミルミル本舗は広々とした牧草地の真ん中にあって、向こう側にはきれいな海が広がっている。抜群のロケーションであろう。ただし晴れていれば。
曇天強風の中見るその景色は、いつか見た真冬の荒れ狂う北海道の海を僕に思い出させた。沖縄なのに。冬の北海道の海もこの世の終わりみたいな気がして独特の良さがある。
ミルミル本舗のアイス自体は濃厚なミルクの味がしてとてもおいしかった。たくさんの有名人のサインもあった。ミルミル本舗の売店でお土産を少し買ってホテルに戻り、夕食を食べに市街地へ出る。

本当は「ひとし」というマグロ専門居酒屋に行きたかったが、当日は水曜日で定休日だった。もしやっていても1ヶ月以上前からでないと予約がとれないぐらいの超人気店らしい。
縁がなかったと思って旅行ガイドに載っていた居酒屋に行く。が、そこは外れだった。お魚を中心に注文したのだがあまりおいしくない。沖縄のきれいな魚も刺身で出てきたが、うーん、これは食べるにはなかなか厳しいものがあるぞ。なんだか妙な香りがする。イカスミチャンプルに関しては食べきれず残してしまった。唯一石垣牛の握りだけはすごくおいしかったので、そればっかりを注文すれば良かったと後から後悔した。どんな旅行でも夕食が美味しければなんとなく楽しい気持ちになるものだ。翌日の夕食についてはよくよく考えねばならないと思った。

車で市街地まで出てたのでその店では酒は飲まず、オリオンビールや泡盛を近くのコンビニで買ってホテルに帰った。
ホテルで飲みまくったるー!と意気込んでいたのもつかの間、ホテルにつき風呂に入ると二人とも急激に眠くなってきて酒もそこそこに眠ってしまった。

すみません、書いてみたらやたら長くなってしまったので日記を二つに分けることにします。
↓続きです。
yoakenoandon.hatenablog.com