先日授業に使える本を探しに、ぶらっと寄った本屋でタイトルの本を購入した。聖書は以前から読まなければと思っていたが、大体途中で挫折してあとはそのままほったらかしというパターンになる。
阿刀田高さんの本では他に『私のギリシャ神話』を持っていて、こちらはいつかの日記でも紹介した通り、挿し絵がオールカラーで入っていて大変美しく、また語り口も軽妙でとっつきにくい神話を楽しく読ませてくれる本になっている。オススメである。
『私のギリシャ神話』の記憶があったので聖書も楽しく紹介してくれるかもしれないと期待して購入した。
まだ旧約聖書の方を読み終えたばかりだが、阿刀田さん自身の体験や考えを交え、非常にわかりやすく愉快に聖書を紐解いている。買って良かったと思う。
だが、これは『私のギリシャ神話』を読んだ時から薄々感じていたことだが、どうにも僕は阿刀田さんの文体が肌に合わないようだ。内容は面白い、しかし文体が合わない。
文体というのは割にクセの出るもので本人は気づかないが同じ言い回しをしていることが何度もある。僕のこの日記にもあるだろう。
高校から大学時代にかけて僕は司馬遼太郎にはまりまくり、かたっぱしから著作を読んでいた時期があった。その時に気になった司馬さんの言い回しは
○○はー××××××××ーとは言わない
というものだった。
この言い回しが出てくる度僕は「いや言わんのかい!」と一人心の中で、あるいは声を出して、ツッコミを入れていた。そうしなければ気が収まらなかった。
阿刀田さんの文章で言えば割に「」や短い言葉でつっけんどんに区切ることが多い気がする。転換が素早く、それはそれで軽妙に感じられていいのだが、僕には時にその文体が軽率に映ってしまう。何故だかちょっとイラッ☆としてしまうのだ。さらに『旧約聖書を……』ではその軽妙さがダジャレに発展していることもあった。
例えばアカンという人物が罰せられる場面で、
「名前があかんのとちゃうか」
う、うーん……。
まあこれはこれで置いといて、もっとひどいのはイスラエル軍がエリコの街を襲う場面で、
「うおーッ」
「ぎゃおーッ」
「消費税ハンターイ」
「そーれ、それ、それ鉄骨飲料」
は?
消費税反対?鉄骨飲料?
ちょっと何言ってるのかわかんないっス。
いやマジで。
時代が違うせいか、僕の頭が悪いせいか、阿刀田さんがマジで何を言ってるのかわからない。街の襲撃と消費税や鉄骨飲料に何の関係があるの?
その直後の文章で
「まあ、まあ、まあ、半畳が入るのは私のエッセイの特徴です」
と書かれてあるが、どこがどう半畳入れてることになってるの?何もわからないので詳しく説明して欲しい。じゃないとフツフツと沸き起こるこのイラつきを収めることができない。
もしかするとこの時阿刀田さんは、ブログを書いていてよく陥る超絶オナニープレイ状態に滅入していたのではあるまいか。しかも「まあ、まあ、まあ、半畳が……」のフォローの入れ方から察するに相当危険な状態だ。フォローになっていないし、何故か若干鼻につく。オナニーが過ぎる。
内容はすごく面白いのだからこんなことでゲンナリさせられるのはなんだかもったいないような気がする。阿刀田さんのファンの方は気にならないのか。
ともあれ新約聖書の方に歩を進めることとしよう。
そうそう、この日記を書いている最中に『旧約聖書を知っていますか』をどこかに紛失してしまった。その現象はあたかも、オナニープレイ満載の恥ずかしい日記が、翌日冷静になったブロガーにより速攻で削除されてしまった様を表すかのようであった。
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