ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

大学時代の先生

本庶佑先生がノーベル賞を受賞されたと言うことで、僕は本庶先生の名前すら知らなかったのだが、その速報のテレビを見てドキッとした。
僕が大学の時お世話になったゼミの先生にそっくりだったからだ。男前であるところも、白髪であるところも、唇が薄く少し曲がっているところも、鋭い眼差しも、全てがあまりに似すぎている。

僕は大学の時はほんとにどうしようもない学生で、2年も留年して大学を卒業した。ゼミの先生には迷惑のかけ通しで、先生が現役の時は怒られに怒られまくった。本当は先生の退官と僕の卒業は同じタイミングのはずだったが、留年してしまったためにそれもかなわなかった。今でも先生には合わせる顔が無い。

そういった苦い思い出や、厳しかった先生を懐かしむ気持ちが、本庶先生の顔を見た途端に溢れるように出てきて、とてもドキドキした。

そうして僕はまだ生徒なのだと思った。いつまでも生徒なのだと思った。誰かを教える、導ける段になど、到底到達できそうにない。