ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

集中できる場所

今朝も仕事もない、特にするべきこともない、どニートの一日が始まった。

いつもなら嫁さんと一緒に出て駅で分かれ、僕は喫茶店にいくところだが、今日は天気も悪く、昨日寝不足(二日酔いの一日を取り返そうと遅くまでゴソゴソやってた)で気分もなんだか乗らなかった。

どうしようかなあ、と嫁さんと駅まで歩きながら考えてるときにピーンとひらめいた。

 

そうだ、このまま嫁さんと電車に乗ろう!

嫁さんはほとんど終点まで乗っていくので、その隣に座って終点まで行き、そのままデンして帰ってこよう!

二人でなら物憂い通勤もきっと楽しいものになる。

寝不足にしてはナイスな思いつきじゃないか。

 

嫁さんの職場の駅まで何分ぐらいかかるのかと聞いてみたところ、

「40分ぐらいやけど……え、来るの?」

そう、行きます。

さすが夫婦。すぐに察してくれた。

 

かくして夫婦での朝一からの電車ピクニックが始まった。

と言っても嫁さんはいつも通りの電車に乗って職場までいくだけ。

やたらとワクワクしてるのは僕一人だけである。

いつもは睡眠時間に充てているのだろう。嫁さんは眠たそうだった。そりゃそうか。子どもの遠足じゃあるまいし、ブラブラしてる旦那を共に連れての通勤など愉快なはずがない。嫁さんには迷惑なだけなのかもしれないな。

 

片道40分の田舎の電車道を二人、言葉少なにガタゴト揺られた後、嫁さんは職場へ向かった。

僕は電車に残り、紙とペンを出して、今作っている童話作品の続きを書き始めた。

昔、20代の頃、大阪に住んでいながら姫路の近くまで、片道2時間の通勤をしていたことがある。

片道2時間、往復4時間、一日の実に6分の1を電車で過ごしていた。

 

僕だけがそうなのか、誰もがそうなのかわからないが、電車の中というのはものすごく集中できる場所である。

当時の僕は児童小説みたいなものを書いていて、原稿用紙400枚以上にわたるその作品の大部分を電車の中で書き上げた。

行きも帰りも座っていけた、というのも大きい。

あまり人目を気にするタイプではないので横に人がいようが、4人がけで周りを見知らぬ人に囲まれていようが、構わず原稿用紙をバインダーに挟んでせっせと書いた。
変な目で見られることもあったが、何とも思わなかった。
どうとでも見てくれ。俺には人の目を気にする余裕もスマホを見てる余裕も無いんだ。
そんな生意気なことを思っていたかもしれない。

その仕事をやめて、しばらくの間電車通勤をしなくなって、すっかり自分がそんな風だったことを忘れていたが、今日久々にその感覚が戻ってきた。

特に朝だ。朝の電車はやばい。

思いつきが洪水のように溢れ出てくる時がある。

かつてもそうだった。そういう時、2時間は瞬く間に過ぎてしまう。

今日も電車様様で随分作業がはかどった。

 

ここ2年ぐらいは電車を使って通勤していたが一体何をしていたのだろう?

スプラトゥーンの虜、いやむしろ奴隷になってしまって、無気力にスプラトゥーンの動画ばかり見たりしていた気がする。
もちろんスマホで。

実にもったいない。一日の中で最も集中できる時間を捨ててしまうとは。
今の貴様のどこにそんな余裕がある?
20代の頃より確実に余裕はなくなってるはずだろうに。
嫁さんにも随分長いこと書いたものを読んでもらっていない。
このままでは愛想をつかされてしまうぞ!
嫁さんだってきっと、きっと期待して待ってくれているに違いない!
……今は星のカービィに夢中みたいだけど。

別に原稿用紙を使わずともノートに書きつけることだってできる。

今の通勤状況ではなかなか座れないからできないと言う、それは言い訳だぜ。

ガンガンいこう。かつての自分を取り戻すのだ。

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タイソン含めゴリラ好きなのでゴリラを描いた。京大の総長もゴリラなのではないかと最近疑っている。無論、山極総長も大好きだ。