ソーリーベイベー

一非常勤講師の覚え書きです。天津飯をこよなく愛しています。不定期更新です。

ギター始めました

絵というのは複雑なものより単純なものの方が描くのは難しいのだな。

複雑なものだったらゴチャゴチャしてるからいくらでもごまかしがきく。時間はかかるがそれなりに描けているような雰囲気が出せる。ところが単純なものは線が少ないからごまかしがきかない。線の角度や長さを間違えるとどうしようもない。ただただヘンテコリンな絵になってしまう。

 

ギターを始めた。

いや、厳密には再開した。

そもそもは4年ほど前の秋、30歳を超えて初めてギターが弾きたいと思い立って、僕は思い立ったが吉日タイプなので、その日のうちに何の迷いもなく近くの楽器屋さんに走った。初めての楽器屋さんはとてもキラキラしていて、入るのに大変緊張したことを覚えている。
店内をまるで万引きのスキをうかがう主婦のごとく、餓狼の目つきで30分ほどウロウロしていたが(どうすればいいのかわからなかった)、怪しいと思われたのか店員さんに、何かお探しですかと声をかけられた。
僕が正直にギターを始めたいと思っていることを告げたところ、

「んー、最初だったらこれなんかいいんじゃないっすかね」

と優しい店員さんはモーリスのアコギを薦めてくれた。即決でそのギターを購入した。5万円くらいだったと思う。

f:id:yoakenoandon:20180318094117j:plain

僕の愛するモーリスのギター。そろそろ弦を変えてあげないといけない。

大体僕はボーッとしているたちなので何でも人より少し遅れている。皆がワーッとそれをやっているときには見向きもしないで、ブームが去ってから「お、これいいじゃん!」とまるで僕一人宝物を見つけた気分で皆がとうの昔に捨てたものを拾い上げる。

ギターなんてほとんどは10代のうちに始めて、就職する頃にはやめてしまうものなんじゃなかろうか。僕が10代の時にも周りの皆はかっこいいギターやベースを買って(あるいは買ってもらって)一生懸命弾いていた。僕は音楽は好きだったけど自分で弾くことには興味がなかった。というより無理だと思っていたのかもしれない。

中学~高校の非常に多感な時期の僕の頭の中を占めていたもの、それはときめきメモリアルであり、エヴァンゲリオンであり、耳をすませばだった。その後すぐにガンダムが僕を支配した。つまり、そういうわけでギターなど弾いてる暇がなかった。

 

ギターを買って、半年~一年ぐらいは気に入って弾いていた。

初心者の壁と言われるFコードは、単体では弾けるが、スムーズにチェンジすることはできなかった。

当時の僕は、これまた30を超えて何でやねんと思われるかもしれないが、Led Zeppelinにドはまりしていて、天国への階段の激しくなる部分までをよく練習していた。あと何故かImmigrant songのリフをアコギで練習していた。意味がわからない。何故アコギでそれをやる。

今にして思えば色んな曲に浮気しないで、ひたすらコードの練習をすればよかった。

結局、何ヶ月か家を離れることがきっかけとなってギターとは疎遠になってしまう。なかなか上手くならないことも関係していた。

 

その後京都に引っ越しをした。そこは近くに大きな川(賀茂川)が流れていて、川まで出れば思いっきりアコギを弾けたので、再びギターを始めることにした。蚊がたくさん出たので大体蚊取り線香を焚きながら練習をした。当時は女性にふられたばかりで、Weezerの曲をよく練習していた。その時初めてギターを弾きながら歌を歌うことを覚えた。人が寝静まった夜更けに寂しく鳴る僕のギターを、橋のたもとにいる猫がよく聞きにきてくれた。

 

しかし、その京都での生活も半年も続かなかった。結婚することになったためだ。結婚のバタバタに再びギターとは疎遠になってしまう。

 

今度は都会のマンションに住むことになって、とてもギターは弾けないなと思っていたが、つい最近ピックを使わず親指で優しく弾けば全然うるさくないことに気がついた。スプラトゥーンをやめて、ふと部屋の片隅に置かれているギターを手にとった結果わかったことだった。

 

それから3ヶ月、スプラトゥーンに費やしていた時間を全てギターに注ぎ込んだところ、以前はできなかったFコードへのチェンジができるようになった。30半ばを過ぎてなお、僕は成長しているのだ!

10代の僕と今の僕、比べてみれば今の僕の圧勝だ。ギターも弾ける、絵も描いている、おまけにブログもやっている!ときメモマニアの10代の雑魚に負ける要素など若さ以外にない。まあ、その若さというやつがやっかいなのだが。

加えて人生において何が大事かということも今は分かっている。とにかく続けることだ。それもできれば毎日続けることだ。間をあけると停滞期間があまりに長くなってしまう。かけ算が足し算になってしまう。

毎日続けたからFコードへのチェンジもできるようになった。これが例えば1日おきだったら多分チェンジができるまであと半年はかかっていたと思う。

おっと、じゃあ昨日ブログを更新しなかったことについてはどうなんですか、といった類の問い合わせに関しては受け付けられない。

それは僕と君だけの胸の内に秘めておくことにしよう。いいね?

 

今は、耳をすませばの雫ちゃんと聖司くんとおじいちゃん&そのフレンズのセッションの場面を流しながら、一緒になってカントリーロードをギターで弾いている。皆と一緒に演奏している気分になって大変楽しい。このセッションのキモは、演奏が終わった後、おじいちゃんと一緒に「愉快愉快」とどれだけ愉快でなくても言うことだ。本当に愉快になる。日常の不愉快なことなど全て忘れてしまうようだよ。

一度お試しあれ。